読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

「あそぶ浮世絵 ねこづくし」展感想

 横浜のそごう美術館で行われている「あそぶ浮世絵 ねこづくし」展に行ってまいりました。略称はそご美でいいのだろうか……。そご美に行くのは二回目ですね。去年の国芳展ぶりになります。そご美さんのひっそりとした雰囲気好きなんですよね……入口が穴に入るみたいで好きです。

 今回はジュニアガイドが配布されていて、子どもにも配慮されている展覧会でした。ガイドはフルカラーで浮世絵も載ってるんですが、猫だけ切り抜かれて吹き出しが出ていたりしてかわいらしいです。図録もそんな感じでSO CUTE。ただふりがなは全部振ってあるのかと思ったら作品名や作者はまったくないんですよね。子どもにはそこまで必要ないのかなということなのかもしれないですが、それだったら項目に「国芳のねこ」「広重のねこ」とあるのはちょっと分からないんじゃないかなあと思ったり。確かに絵師の説明は入ってはいるけれど、ぱっと見たとき誰やねん、となりそう。どうなんだろう。

 でもお気に入りのねこさがしはうまい企画だなあと勉強になりました。猫だから抵抗なく入っていけるだろうし、猫が題材になっているものばかりではないから、絵の中から猫を探す、という楽しみもできますよね。

 すごく恥ずかしい話なんですが私まだ一回もギャラリートークとかワークショップに参加したことなくて……どうやら木版画体験をやっていたようで……いやこれに限った話ではないんですが! 下半期の目標はそういうのに参加することね……。

 正直生で浮世絵を見るときに気を付けてみているのが空摺りくらいしかないどうしようもない奴なので、今回は猫の毛並みが空摺りされてることくらいしか気付きませんでした。着物の柄だけじゃないんですね。割りと後期とか明治あたりに多いのだろうか。でも春信から盛んになったっていうしそんなことはないのではないだろうか。どうなのだろう。

 それにしても国芳ファミリーが多くて笑います。国芳国芳国芳芳年国芳国芳!その他弟子!みたいな。去年も国芳展やっていたしそご美の学芸員さん好きなんでしょうか。それとも今年の国国展に合わせてきたのかな。まだ行ってないので早めに行きたい。野晒悟助がここにも来ていてふきました。引っ張りだこねえ。

 展示の最初のほうで女三宮と猫に取材しているものが多くて心折れました。やめてください。初っ端からこっちの心を折ってくるのはよしてください。女三宮! 猫! 御簾! とどめの柏木! やめて! 国貞の「吾妻源治若菜之巻」でもろに柏木が描かれているのは精神的にくるので勘弁していただきたいです。これ左端で御簾の方見てるの柏木君ですよね……。特に解説が入っていないので確証は持てないのですけれど。その次の「紫式部げんじかるた」ではもはや対面しているしどうしようもないです。

 図録をぱらぱらめくりながら書いているのですが、鑑賞のあらすじで三代目豊国の「水茶屋」に関して、簪の「鞠」にじゃれている「猫」の飾り、着物の柄の「源氏香」(香道において、源氏物語を利用した組香のひとつだそうだ)という三つの要素から「若菜上」を見立てていると書かれてあって感動しています。すごい。全然気がつかなかった。そもそも源氏香とかいう存在を知らなかったです。馬鹿には厳しい。分かったらさぞ鑑賞に奥行がでるだろうに。見立て絵を楽しめるようになりたいぞ。

 着物の柄といえば芳年の「東京自慢十二ヶ月 六月 入谷の朝顔」でふと思ったのですが、皺になっているところの柄は見えない、だとか、柄の描き方が結構写実的ですよね。それまではトーン一気に貼りました~のようなものが多いような印象を受けるのですが、この絵は柄が猫だけにより強く差異を感じるような。

 ちょっと視野が広くなったのか、今回は落款印章の方にも目が行きました。絵師、版元、改印はだいたいどの浮世絵にも入っているのだろうか。ときどき彫師の名前があるとオオー! 誰だこいつー!(知らない)となっていました。あと詞書にときどき名前が記されていたのは今まで意識していませんでしたね……。そりゃ全部絵師が書くわけありませんわな。

 目が行くのはいいがさっぱり分からないのでもう少し頑張りましょう。詞書もスラスラ読めるようになったらかっこいいですよね。図録だと潰れてしまうのも多いし、やはりその場で読んでおくのが一番いいのだろうけれども、ひらがなですら覚束ないからなんとも……。解読していると一向に進まないし飛ばすのもなんだか勿体ないし。せめてひらがなくらいは読めるようになりたいところです。下半期の目標ふたつめ。早稲田から出た変体仮名アプリ入れましたとも。「よ」が「よ」なのか「に」なのか「き」なのか苛々しているので早う続き書きモードも公開してくれ~とぽちぽちやらせていただいています。

 あんまり感想を言っていないですが、今回も楽しい展覧会でした。次はバルテュス夫人だそうですね……! う、うおー! 行きたいー! でも遠い―! くやしー!

 そして来月の歌舞伎座義経千本桜だそうで。碇知盛もやるそうですから是非先日の浄瑠璃と比較したいです。観といてよかった。誘ってくれたT氏本当にありがとうございます。他はすし屋くらいしか観たことないので楽しみです。今月の演目も知らないのばかりというか知らないのしかないのでざくざく開拓したいところ。