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トーテム感想

 シルク・ドゥ・ソレイユは(十年位前の某サーカスアニメが取材に行ったという話を聞いて)前々から行きたい行きたいとは思っていたのですがなかなか腰が上がらず、知り合いのお姉さまが行ってきたわよ~と仰っていたので私もと急いでチケットを取って行ってまいりました。行くとしたらA席だけどあんな席から観えるんだろうか……と不安でしたが、思ったよりはよく観えました。確かにキャストの背中がメインになってしまうのだけれど、それでも十分楽しめる作りになっているのかなと思います。さすがに演奏者は見えないので最後の方までは生演奏だとは気付きませんでした。

 ちょっと残念だったのはA席のノリの悪いこと悪いこと……。拍手は大体ステージ正面のひとたちがやっているだけ、という有様でこちら側はただ観ているだけというひとが多かった印象を受けます。どうなんでしょう。花道が観えないから拍手できないというのなら分かるんだけども、後ろからとはいえ観ているものは同じなのだし。
 花道といえば、舞台のブリッジは花道を参考にしたとプログラムに載っていて随分アクロバティックな花道だな……! と笑っておりました。

 プログラムを買うつもりなんてなかったんですが第一部が終わったあと気が付いたら手にしていました。表紙は化粧の部分がざらざらとするようになっていてとても凝っています。(そんなこだわりはいいからもうすこしねだんをおさえてくれとおもわないでもないです。)衣装やメイクの説明だとかを期待していましたが、そこまで詳しく取り扱われてはいないかな。辛うじてキャストのページでメイクありなしの写真を載せてくださってます。全身が見たい私としては記憶に頼るしかないのでとても悲しい。写真付きの解説が見たかったです。贅沢言うない。

 UNICYCLES WITH BOWLSの衣装が特にお気に入りなのですが、それぞれ腰に何をぶら下げているのか知りたかったですね……。羽根しか分かりませんでした。クリスタルレディにも心奪われました。正直を申しますとフィナーレのときも双眼鏡でずっと追いかけていました。うつくしいひとでした……。舞台写真はあるのだろうか……! と物販をうろうろしていましたけれどもそんなものはありません。でも確かに動的な舞台であるのだから写真に収めるというのは難しいですよね。

 トーテムを観て一番驚いたのはその音楽的要素が意外にも大きいということでしょうか。プログラムの小倉さんのインタビューでも「サーカス+ミュージカル」と言われていて、サーカスだけかと思っていた私はそのままサントラを買う道しか残されていなかったのだ……。

 演目に関していえばSCIENTISTが印象的でしょうか。楽器と博士と目が追い付かなくて悔しかったです。博士のあのジャグリングはマニピュレーションというのか。一度博士がボールを取り落した瞬間があったのですけれど、観客にむかって人差し指でシーとやっていたのが鮮明に残っています。博士かわいかったです。SOCUTE。独特の楽器も見せ方といいさすが、と舌を巻かざるを得ません。ストンプ、とはまた違うのかな。なんというのだろうか。

 光の使い方もさすがだなあと惚れ惚れしていました。名前は分からないのですが照明を高速で点滅させる演出があるじゃないですか。あれがかっこいいと思えた舞台は初めてでした。それにしても照明はどこで見て動かしているのだろう。ひとをミラーボールにするという発想は一体どこから出てくるのでしょうね。

 ひとさまの感想ですとかを読むと派手さに欠ける、とか言われておりますが、それを求めなければおつりが来るくらいには楽しめるかなと思います。衣装もとことんまで作り込まれているし、脱げば脱げで肉体美はすばらしいし、音楽は耳に残る残る。しなやかで力強い筋肉は眼福です。あれが同じ人間とも思えない。日頃の鍛錬の賜物なのだろうなあ。

 リピーター割引もあるそうなので、気になったらまずはA席で御覧になってはいかがでしょうか…! 学生割引もやってくれているので大変ありがたい。双眼鏡はあった方が細部も観れて楽しいかなと思います。

 来週は歌舞伎に行きたいです。夜の部通ししちゃおうか悩ましい。履修も決まったので文楽のチケットも取らねばなりませぬ。ご友人に誘われて二月の文楽に行ってきましたが、人形がまるで生きているかのように動くということですら奇妙であったのに、生きているような人形が死ぬ場面を演じるというこの構図は一体なんなんだと震えておりました。いまでもよくわかっていません。人形遣いの技に魅せられたのではないか。とりあえずもう一回くらい観に行かねば。